ZI:KILL(ジキル:元祖V系バンド)の魅力と天才ギタリストKEN

ZI:KILL(元祖ビジュアル系)の魅力と天才ギタリストKEN

出典:https://www.jpopasia.com/zikill/

今日はZI:KILL(ジキル)について語ります。

知らない方も多いと思いますので、是非この記事をきっかけに知ってもらえたら嬉しいです。

ビジュアル系の元祖(音的)

もう長いこと日本のロック界には「ビジュアル系」が存在し続け、もはや世界的にも日本独自のジャンルという扱いになっています。ファッション的にはもちろんなのですが、音楽的にもV系には日本独自の音楽性があると思います。もちろん時代が進むにつれその音楽性も多種多様化していますが、やはりV系らしい「音」というのは大きなカテゴリーで見てもあると思います。

ビジュアル系の元祖といえば、直系的にはX JAPANBUCK-TICKあたりが最も影響力が強かったと思いますが、そのすぐ後はZI:KILLD’ERLANGER(デランジェ)。そのすぐ後に、LUNA SEAといった流れでした。

当時高校生だった自分の時代では、ビジュアル系という言葉はまだそんなにガッチリしてなくて、ジャンルを外見というよりも音楽性で判断する部分も大きかったと思います。こっち系の音の系譜といいますか。そしてメンバー達も今よりもっと男っぽいというかゴリゴリの不良が多かった印象です。

個人的な意見ではありますが、音楽的にはBUCK-TICKやZI:KILL、D’ERLANGERは日本独自のロックというか、海外バンドの模倣ではなく良い意味でセオリーや常識を無視した独自路線で突き進み幅を広げ、音楽的に後のV系に与えた影響は非常に大きいと思います。そういった意味で、ZI:KILL音的な元祖と言えるのではと思います。

ZI:KILLの経歴

ZI:KILLは1987年にギターのKENとベースのSEIICHIから始まります。翌年にボーカルのTUSK(タスク)が入り本格的な活動開始。

そしてあのX JAPANのhideに気に入られエクスタシーレコードに引き抜かれます。

1989年に1stアルバム「真世界〜REAL OF THE WORLD〜」をリリースし、翌年1990に2stアルバム「CLOSE DANCE」をリリース。この作品がインディースながらメジャーチャートに入り一気に話題となります。

その勢いで一気に東芝EMIと契約しメジャーデビューしました。メジャー初シングルは「LONELY」で初アルバムは「DESERT TOWN」。

この「DESERT TOWN」がまたとんでもない良アルバムで、メンバーたちも「今後10年はアルバム出さなくても良いほど出来が良い」と語っていたのを覚えています。

ZI:KILL(元祖ビジュアル系)の魅力と天才ギタリストKEN

私もDESERT TOWNは何度も何度も聴きました。

その後、事務所のトラブルでしばらく活動休止しましたが、1992年にキングレコードと契約し再復帰。アルバム「IN THE HOLE」と「ROCKET」を発売しました。

キングレコード時はアルバムも5位にランクインし、日本武道館ライブを2度も成功させています。

しかし1994年の5月に惜しまれつつも解散してしまいました。

有名ドラマーが在籍

ZI:KILLはドラムが定着しないバンドでしたが、過去に在籍していたドラマーは怪物級です。

あのラルクのyukihiro菊地哲(TETSU)がいたこともありました。二人とも質は違いますがとんでもない技術とセンスを持った日本ロック界屈指のドラマーです。

菊地哲(TETSU)

今思えば一番ZI:KILLらしいドラマーはyukihiroだったと思いますが、個人的には菊地哲の要塞のようなセットで叩くパワードラムが好きでしたね。ちょうどアルバム「DESERT TOWN」の頃に菊地哲が叩いていましたがTETSUがライブで叩く「DESERT TOWN」の曲群は鬼でしたね(笑)

その後、TETSUが脱退し、当時確かプロデューサーの仕事をしていたEBY(海老名淳)がドラムで加入。彼も音楽的素養が高くZI:KILL解散後も河村隆一やTMレボさん、GACKTなど多くのミュージシャンのプロデュースを行っています。

キレッキレなZI:KILLメンバー達とその個性が出ている曲を紹介

ZI:KILLはメンバーそれぞれが個性的で高いスキルを持ち、技術的にも音楽的にも尖りまくってキレッキレなバンドでした。

ボーカル TUSK(板谷 祐)

ZI:KILL(元祖ビジュアル系)の魅力と天才ギタリストKEN

Tusk 出典

ボーカルのTUSK(板谷 祐)は、様々な声質を使い分け、独特の荒廃した世界観を歌詞で表現しZI:KILLの世界観を一番作っていたと思います(私は実は声質が最初少し苦手でしたが)

TUSKの歌詞でやはり一番印象的なのは、少年の詩ですかね。少年の詩はアコギの弾き語り風でZI:KILLっぽくないといえばないのですが、実にTUSKらしい世界観というか何度もリピートして聴きましたね。名盤「DESERT TOWN」に収録されています。

名曲ですので、是非聴いてみてください!

zi:kill – 少年の詩

あのhideともイメージビデオを作っていましたね。

ベース SEIICHI(飯田成一)

ZI:KILL(元祖ビジュアル系)の魅力と天才ギタリストKEN

SEIICHI 出典

ベースのSEIICHIは、音抜けの良いきっちりくっきりしたベースを正確無比なリズムで刻むといった印象です。スタイルもよくイケメン。SEIICHIのベーススタイルに憧れたバンドマンもかなり多くいたと思います。

個人的なSEIICHIらしさが最も出ているZI:KILLの楽曲は、やっぱり「FLY」。

このベースリフは滅茶苦茶カッコいいです!!!!!

作曲に半分クレジットされていたので、このベースリフは間違いなくSEIICHIが作ったものでしょう。

FLYは音楽性ががらりと変わってきたZI:KILL後期の楽曲ですが、個人的にZI:KILLトップ3に入る好きな一曲です。今聴いても十分すぎるほどカッコいい。是非聴いてみてください。(スマホだとベースの音は聴こえにくいのでイヤホンかPCがオススメ)

ZI:KILL【FLY】

天才ギタリスト KEN

そしてギタリストのKENです。

ギタリストでKENといえばラルクのKENが有名かもしれませんが、自分の中ではZI:KILLのKENだし当時はラルクもまだ売れてなかったので、KENといえば彼でした。

出典 youtube

本名は松平健というのも凄いですが、KENは間違いなく天才だったと思います。この記事ではKENだけ少し特別扱いですが、他のメンバー達が今も音楽活動を続けている中、KENだけが消息不明なのもありましてそこはご容赦ください。

KENはZI:KILLの楽曲のほとんどを作曲しています。そしてそのトリッキーな楽曲や音のセンスはKENによるものが非常に大きく、ZI:KILLの心臓は間違いなくKENでした。しかもくっそイケメン。

異次元の音を出すギタリスト

KENのギターの演奏技術は際立って高いというわけではなかったと思います。しかし音が異次元で通常ならあまり考えられないエフェクトの使い方や演奏法で、KENの作り出す音の世界に自分は随分魅了されました。

有名な割に意外と使われにくいフランジャーというエフェクトを駆使しまくったり、フレーズとフレーズの一瞬の間だけ、フェイザー(うねるエフェクト)を挟んだり、作る楽曲も「なんじゃこりゃ〜」という曲が多かったです。あのホッピー神山もめちゃ褒めてましたね。

個人的に最もKENらしさが出ている楽曲は「ROUND AND FATE」ですね。

このギターリフのカッティングは鬼のようにカッコいいです!!!

ソリッドが効いた実にKENらしいリフでコーラスもカッコいいし何度も聴きました。もう聴いてるだけでは我慢できず自分もギターでコピーしましたね(笑)

ZI:KILLの中で個人的には一番好きな曲です。メジャー初シングルカットも「LONELY」ではなく「ROUND AND FATE」にすれば良かったのに。。さすがに尖りすぎてて無理か。。。

Zi:Kill – Round and Fate

ついでに、菊地哲が在籍していた頃の、超高速ROUND AND FATE」も貼っておきます。

哲さん・・・早すぎるよ・・・w

Zi:Kill ROUND AND FATE【1991 LIVE】

ここではこの曲だけやけに推しましたが(笑)他にもKENらしさが出まくっているカッコいい曲は山ほどありますので、もし興味を持ってくれた方はYouTubeなどで探してみてください。

ソロデビュー

ZI:KILLの活動後半でKENはソロデビューもしました。

JOKE(ジョーク)というアルバムで、本気で売ろうという感じではなく半分良い意味で遊びというか実験音楽的な感じで出していました。KEN自身もインタビューで

「10年かかって10万枚とか売れたらいいかもね」

と語っていたのを覚えています。自分ももちろん購入しましたがZI:KILLとはまた全然違う世界観で、歌もうまいしやっぱりセンスの塊のような男だなと思いましたね。

Ken Zi:Kill – Play

ZI:KILLのKENはどこへ行ってしまったのか?

ZI:KILLを解散した後はCrybabyという女の子ボーカルのバンドを結成して、メジャーデビューもしましたが、シングル4枚アルバム3枚リリースしましたが、あまり売れなかったようでその後解散。その後のKENの消息はずっと不明です。

CRYBABY – EVERYTHING

Crybabyは、ボーカルの宮城芙実さんは歌唱力が非常に高いと思いますし、編曲に佐久間正英を迎えたり技術的には何も問題なかったと思いますが、やっぱり普通すぎたのかなぁ・・・

普通のPOP音楽での勝負となるとまた別次元というか、難易度は逆に上がるのではないかと思います。

TUSKやSEIICHIはその後も音楽活動は続けCRAZEに加入したり、今でも活動は続いていますがKENだけはすっぱりと辞めてしまいました。D’ERLANGERも復活したり当時のメンバー達を今も私は懐かしく見たりもしますが、やはりKENだけはいつまでもどこかで気になります。

すっぱり辞めてしまうという生き様もKENらしくてまた良いのかもしれませんね。

後半の成熟してきたZI:KILL〜そして解散

後半と言っても最後の一枚のアルバムの「ROCKET」だけですが、ここでガラリと音楽性が変わります。

それまではソリッドの効いたスピーディーな楽曲が多かったZI:KILLが、16ビートを取り入れたりギターもテレキャス系の音からゴリゴリのレスポールの音へと変化し、プロデューサーにホッピー神山を迎え、それまでのファンからは賛否両論となったアルバムでした。

ですがチャート的には今までで一番上位の5位に入り、音楽的にもとても成熟してきたアルバムだったかと思います。

ROCKETの中での一つの完成形の楽曲はやはり、Bad Manですね。

メンバーのスキルもそれぞれ成熟してきて、音からMVから何から何まで滅茶苦茶カッコいいです。MVのファッションとか動きもクソカッコいい。名前のとおり悪げな音。1993年でこれは少し先鋭的すぎたかもしれません。

Zi:Kill

最後に

ZI:KILLは解散してしまいましたが、それぞれの事情があったと思います。

何年か前のTUSKとSEIICHIのインタビューで、後半にはKENとあまりうまくいってなかったようなニュアンスの発言もありましたが、なにせみんなまだ20代前半ですしミュージシャンにはよくある話です。

解散時にKENがインタビューで言っていた一言があります。

「ZI:KILLは俺の青春だった」

ファンにとっても青春でした。

この記事を書いた人
新井キヒロ

漫画家のはしくれ

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コメント

  1. AXIS より:

    私もジキルはどっぷりハマってました!
    武道館ライブのHYSTERICとFor meは自分史上最高のパフォーマンスだったと思います
    ジキルの事を記事にしていただきありがとうございます!

    • 新井キヒロ 新井キヒロ より:

      コメントありがとうございます!HYSTERICとFor meめちゃいいですね。HYSTERICは記事にしようか悩みました(笑)
      ジキルのことあまりネットになかったので書いてみました☺